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zoom RSS 試用期間中の解雇

<<   作成日時 : 2012/11/08 13:46   >>

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「試用期間中の解雇について」

試用期間は本採用になるまでの「お試しの期間」で、この期間での解雇についての問い合わせも多くあります。
つまり、「雇ってみたら使えなかったので、解雇できるか?」ということです。

まずは、「試用期間中の解雇」の前に「一般的な解雇」をみていきましょう。
通常の社員を解雇する場合、次の2つのことがポイントとなります。
 〇 解雇の原因となる客観的な事実があるか?
 → 就業規則等に具体的な解雇原因が記載されていて、それと合致するか?
 〇 社会的にみて相当か?
 → 誰がみても、解雇することがやむを得ない状況か?

この2つを満たせば「法的には」解雇をすることができるのです。
しかし、実際にはそこに至るまでの下記過程も重視されます。
 1、改善の機会を与え、解雇回避の努力を実施したか
 2、本人がどのように考えているか、弁明の機会を与えたか
が必要となってくるのです。

これは「会社が強引に社員を解雇に追い込んでいないか」を検証するために裁判等で争点となる部分です。

だから、実際の運用面では就業規則に上記1や2の手続きも記載し、具体的な問題が起きた場合はこれに沿った手続きを踏むべきです。

以上のように、「一般的な解雇」では様々なハードルがありますが、「試用期間中の解雇」の場合は「一般的な解雇」より広い範囲で認めらます。

具体的にはどの部分が緩和されているのでしょうか?


これに関する裁判があります。
 <日本基礎技術事件 大阪高裁 平成24年2月>
 〇 会社は6ヶ月の試用期間を設けていた
 〇 新入社員が入社したが、睡眠不足で業務に専念できない
 〇 新入社員は研修中に門限を破った
 〇 業務についての課題が未提出だった
 〇 指導員が繰り返し注意したが、改まらない 
 〇 4ヶ月を経過し、改善の見込みが無いので本採用拒否の解雇を実施
 〇 新入社員は解雇権の濫用と裁判に訴えた

そして、高裁の判断は
 〇 新入社員に改善の可能性が無いと判断したことは相当の理由あり
 〇 就業規則に「能力、勤務態度、健康状態等で不適当と認める場合、解雇する」と規定してある
 〇 試用期間中に指導や教育は十分に行われていた
 〇 解雇は妥当
とし、会社が勝訴したのです。
ただし、この事例では上記2の「本人の弁明の機会」を与えていなかったのですが、
これに関する裁判所の判断は「改めて機会を与える必要なし」だったのです。

だから、試用期間での解雇については指導、教育の実施が重要視され、 「本人の弁明は関係なく、結果が全て」ということになるのです。

この部分が一般的な解雇と違う部分です。
これに関して、労働法に強い弁護士に聞くと「一般の解雇と試用期間中の解雇では、試用期間中のほうが緩い」
とお話されていました。

しかし、「試用期間中での解雇の時期が不適当」と判断された裁判もあります。
 <医療法人財団健和会事件 東京地裁 平成21年10月>
 〇 試用期間が3ヶ月間設けられていた
 〇 新入職員の勤務状況が悪かったので、注意指導を実施
 〇 改善傾向にあったが、2ヶ月と20日で解雇を実施
 〇 新入職員が解雇について裁判を起こした
裁判所の判断は
 〇 解雇すべき時期の選択を誤った(試用期間満了まで様子をみること)
 〇 誰が見ても解雇が妥当とは言い切れない
 〇 解雇は無効
として会社が負けたのです。

上記の裁判(日本基礎技術事件)では試用期間が6ヶ月のうちの4ヶ月、この裁判は試用期間が3ヶ月のうちの2ヶ月と20日です。

この2つの裁判の違いは
 ○ 単純に期間の問題
 ○ 指導や教育の状況、本人の改善状況が基準になったと推察されます。


では、試用期間中の解雇について実務上の留意点をみてみましょう。
 〇 指導、教育について口頭のみではなく、指導日誌等で記録をとる 
 → 裁判等の証拠となる
 → 将来、類似事例の対応策となる
 〇 解雇の見極めは試用期間満了時に実施
 → 途中で行うと見極めが不十分と指摘される可能性あり
 → 途中でもやむなしと判断できれば、実施 
 〇 解雇の手続きとして30日分の解雇予告手当を支払い、試用期間満了時に解雇する
 → 懲戒解雇事由に相当する重大な事実があった場合は、労働基準監督署に除外申請を行い、予告手当は支払わない(重要)
 〇 解雇すべきか否かの見極めが出来ない場合、試用期間の延長もありうるが、争いになる可能性が大きい
 → できれば、延長は避けて期間中に判断する

なお、試用期間中の解雇であっても、
 ○ 入社後の健康状態が悪く、通常の出勤ができない
 ○ 遅刻等を繰り返すなど、勤務態度が悪すぎる
という場合、入社後2週間以内※であれば、即日解雇できます。
 ※ この2週間は休日を除かず、暦での基準となります。
この場合は労働した分に対応する給与だけを支払えばOKで、解雇予告手当は必要ありません(労働基準法21条)。
 
どんなに面接を深く行ったところで、実際に仕事をさせてみないと、本人の資質が分からないことは多々あります。
そういう場合、どのタイミングで解雇するかは重要な問題であり、これを間違えると、周りの社員が大変になる可能性もあります。

こういうことを防ぐためにも、お引き取り願うべき人には早めの対策が必要なのです。

今日の話はどこの会社でも日常茶飯事的に起こり得ることなので、覚えておいてくださいね。 

被災地石巻市の行政書士、お気軽に利用してください!
<相続・会社設立なら佐藤彦一行政書士事務所>



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